「コミュニケーションの視覚支援」のワークショップvol.3を行いました
視覚支援シリーズ第3弾、最終回となるモニターワークショップを行いました。冷たい雨の降るなか、電車やバスを乗り継いでご参加くださった皆さま、本当にどうもありがとうございました!
今回のテーマは、前回までと同様「コミュニケーションの視覚支援」でした。発達に障がいや特性のあるお子さんがこのプログラムに参加したら、どんな場面で戸惑う可能性があるかな?という視点から、それに対してどんな工夫ができそうかを考える、という内容です。
まずは全員で輪になって今日の予定を確認。

辻澤のストレッチで身体と気持ちをほぐしてから、参加者の方が主催されているサークル、にじいろさんの劇遊びプログラムを親子で体験させていただきました。絵本に出てくる動物たちになりきって、子どもも大人も夢中になって楽しみました!大好評でしたね〜ありがとうございました!

親子プログラムを体験したあとは、本題の「視覚支援について考えよう」タイムです。発達に障がいや特性を持つお子さんの具体的な状態像をイメージしていただき、そのようなお子さんが(1)劇遊びプログラムに参加して戸惑う場面があるとしたら、それはどこか、そして(2)それに対してどんな工夫ができそうか、という二点についてアイディアを出し合いました。皆さんが積極的に発言してくださったおかげで話し合いが充実し、大変ありがたかったです。

出てきた様々な工夫の中には、すでにそれぞれがご自身のご家庭や活動に取り入れているアイディアもありました。そして今後新たに視覚支援を取り入れてみようとした場合に足かせとなりやすいお悩みポイントも挙げていただきました。ここでは、3つの足かせについて簡単にまとめておきます。
<足かせ①>視覚支援ツールを考えたり作ったりするのに手間がかかる
視覚的な手がかりがあれば子どもたちは助かるかもしれない。頭ではわかっているけれど、実際そんな時間や気力がなくて…というお悩みです。慣れればすぐに作れるようなものでも、久しぶりの図画工作にはそれなりに時間と労力がかかります。あくまで作り手の時間や気持ちに余裕があるときに作ってみる程度で十分ではないでしょうか。せっかく作ってもまったくお子さんに響かずお蔵入りする…なんてことも多々ありますが、めげずに別の工夫ができないか考えるというプロセスを楽しんだり、行き詰まったら周囲にアイディアを求めたりすることができるといいですね。
<足かせ②>視覚支援ツールを取り入れようとすると何かしら弊害が生じる
例えば、帰宅した子どもが自分で靴をそろえて置く習慣作りとして玄関の地面に足型を描いた紙を置いておこう!と考えたものの、掃除の邪魔になる…といったお悩みです。今回、靴をそろえるというテーマでは、靴の中敷きやつま先などに左右合わせるための目印を描いてみるという別のアイディアが出ました。このように、より弊害の少ない別の工夫はできないかを考えてみるといいかもしれませんね。
<足かせ③>視覚支援ツールを取り入れすぎると、子どもにとって情報過多になったり、自由度がなくなってしまったり、頼りすぎてツールなしの生活ができなくなってしまうのではないかと感じて抵抗がある
視覚支援ツールは必要なくなれば自然と使われなくなりますし、お子さんが使い続けているということは役立っている・助かっているということではないでしょうか。実際私たちは目で見てわかる手がかりにずいぶん助けられながら生活しています。使われているツールは残して、使われなくなったら取り去る。それだけで自然と過不足ないようバランスがとれるのではないかと思います。
さてさて、続いての保護者向けワーク、太陽カードは、他のメンバーのキラリと光るいいところを文字にして伝え合うワークでした。限られた時間にもかかわらず、皆さまぎっしりコメントを書いてくださっていて、すでにご参加いただいた皆さまの間に温かい絆ができているように感じました。最後にご自分宛のカードを受けとってコメントに目を通していらっしゃるときにあふれた皆さんの笑顔は本当に素敵でした。

ママたちが熱心にワークに取り組んでいる間、子どもたちはフリータイムです。それぞれ好きなタイミングで遊びスペースに向かい、ふと気づけばみんな集まって楽しく場を共有していて、とても和やかな雰囲気でしたね。

今回は、遊びの時間にも終わりがくること、そして遊びの時間はいつまでなのかをお子さん自身がわかって遊んでいただくための視覚支援ツールとして、少しだけ手を加えた時計を見えるところに置きました。子どもたちには、長針の青い鳥さんが文字盤の赤い鳥さんとごっつんこしたら遊びはおしまい、と事前に伝えます。この時計はタイムタイマーのような役割を担い、数字がわからなくても時の流れを「移動する青い鳥」として目で見て感じることができるだけでなく、時計を気にしながら生活する習慣づくりにもつながる便利グッズです。

実際、お子さんたちが「もうすぐ!もうすぐ!」「ごっつんこするよ!」と終わりの時間を教えに来てくれて、遊びの切り上げもとてもスムーズでした。みんなでお片付けまで…とっても助かりました!どうもありがとう!
最後は再び親子一緒に輪になって感想をシェアし、自由に握手しあって終了となりました。お子さんたちとも握手ができたこと、「また来たい」と言ってくれたこと、忘れられません。

これまで保護者モニターとしてワークショップにご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。皆さまから頂戴した貴重なご意見、皆さまとの絆を今後の活動にしっかりと活かして参ります。
また私どもの活動に共感してくださり、ワークショップ会場として校内の会議室を快くお貸しくださった駒澤大学高等学校様、心より御礼申し上げます。
最後になりましたが、ご参加いただいた保護者モニターの皆さまが主催されている活動をご紹介させていただきます。「にじいろ」さん、「多言語パーク」さん、「ひだまり」さんです。とても素敵であたたかい方ばかりですので、ご興味のある方はぜひアクセスしてみてくださいね。
●●● にじいろ ●●●
<活動概要>発達に特性や障がいのある子大歓迎の親子サークルです。定型発達の子もいます。親子で楽しめるヨガやマッサージなどのプログラム、自由遊び、おやつの時間などを設けています。 <活動場所>松戸市五香市民センター <活動スケジュール>基本的に第1水曜日 14:15-15:45 <ブログ>http://s.ameblo.jp/akachan-homon/ <お問い合わせ>niji.iro.sun@gmail.comまでご連絡ください。
●●● 多言語パーク ●●●
<活動概要>外国人親子と多言語で一緒にあそんだり、子育てや生活を支援し合うコミュニティです。国籍や老若男女やハンディを越えてお互いを尊重する関係づくりを目指して活動しています。過去には、ママの為のヨガや子育て相談会、外国の料理教室なども開催したり、シャボン玉遊びやハンドペインティング、お正月あそびのイベントも開催しました。 <開催場所>荒川区町屋ふれあい館、その他https://www.city.arakawa.tokyo.jp/smph/arapura/dantai/bunkagakushu/gogaku/tagengopark.html <ブログ>http://ameblo.jp/tagengopark/entry-12009687800.html <お問い合わせ先>Minori Shirai(minok2314@yahoo.co.jp)までご連絡ください。
●●● ひだまり ●●●
<活動概要>発達に凸凹のある子供とその家族と一緒に育つ会。親子のふれあい遊びや親の学びの為の講習会、情報交換のための座談会などを開いていく予定です。 <活動場所>荒川区のふれあい館や区立障害者福祉会館等 <活動スケジュール>月2回程度、不定期 <Webページ>準備中 <お問い合わせ>代表の氏家景子(julio7okiek@gmail.com)までお問い合わせください。